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心と病気との関係

昨日は、ある人が病気(特に慢性疾患)になる過程では、単に「リスクファクター」だけの
問題ではなく、その人一人一人に「個人の歴史的な物語性」があるのだという話を書きました。
ここで、誤解していただきたくないのですが、こういうことを書いたからと言って、

それでは医療者はもっと患者さんの話をよーく聞くようにしましょう、などという事を言い
たいのでは決してありません


現代医療を否定的にとらえている人の中には、「今の医療者はもっと~~すべきだ」とか
「西洋医学は○○だから駄目だ」みたいな議論がされることがありますが、私は今の現代医療
に問題はあるとしても、それ以上に人々の健康に貢献していると思っています。
確かに、今の医療が「忙しさ」のせいか、十分に患者さんの気持ちをくみ取ることができて
いないという一面があることは確かですが、大半の医療者はそれでも一所懸命に身を削り
ながら働いているのですから。
医療現場において、「物語性が大切だ」ということを主張するだけでは何も解決しないと
思います。

大切なのは、西洋医学が得意でない分野あるいは、手の回らない分野を、代替医療と協力
関係を築くことで、お互いが一層発展していけるいうことではないでしょうか。




ここでは、私の考える「病気になる原因」について、『心の性向』というキーワードを使い
ながら書こうと思います。

心筋梗塞の研究では「タイプA型性格」というのがあって、そういう性向を持っている
人は心筋梗塞を発症し易いという事が言われています。
すべての病気がそうであると今の時点で断言するわけではありませんが、肉体に起こった
故障の原因に、心理的な精神的な問題が深く関連している「病気」があることは確かです。


http://www6.ocn.ne.jp/~masugnp/1sinzou/taipu_a.htmlから引用してみます

このタイプA型行動パターンを要約すると、

  ① 目標への持続的な強い衝動
  ② 競争を好み自ら求める傾向
  ③ 永続的な功名心
  ④ 時間に対する切迫感
  ⑤ せっかちな性格
  ⑥ 心身への著しい機敏性などです。


一言で言うと、自律神経で「交感神経が優位な」ストレスの高い性格だと思います。
いつも時間に追われるようにしてストレスの高い緊張状態が続くと、交感神経の過敏状態
になります。するとアドレナリンやノルアドレナリンと言われるホルモンが全身に分泌され
ます。
これが、かなり強い「動脈硬化促進因子」であることが分かってきています。
逆に、「副交感神経優位な状態」はリラックスした状態(これをタイプB型性格と言います)
であると考えられ、動脈硬化を抑制する因子になるのです

「心の性向」が「自律神経やホルモンのバランスの状態」に影響を与え、それが「動脈
硬化の進行度」に影響を与えるとすれば、決して「心の性向」というものを軽く考える
わけにはいかないのです。
人の「心の性向」がどれほど大きな影響を与えるものなのかについては、これからも折に
触れて触れて行きたいと思っています。そして、このことを明らかにすることが西洋医学と
代替療法を統合する上でとても大切なことだと思っています。


最終的には、動脈硬化は「促進因子」と「抑制因子」とのバランスで起こってくると思われ
ますので、抑制因子が優位な状態では、たとえいくらリスクファクターがあっても、発病
しないという可能性があると考えられます。


また、動脈効果には「自然退縮」という現象があることが分かっており、血液中の免疫
細胞の一つである「貪食細胞」が動脈硬化病変をお掃除してくれるのです。こういった、
免疫系も自律神経やホルモン系という身体のバランス状態を保つ働きをする非常に精巧な
システムと深く関連していることが分かっています。


自律神経系、ホルモン系、免疫系といった身体の恒常性(ホメオスターシス)を保つ働き
をするシステムの中枢は、脳の中心部にある「間脳」と言われる部分でコントロールされて
います。そして、この間脳は「情動の中枢」とも密接に関連しているのです。

私たちは「感情の動物」であると言われますが、その感情が「間脳」を通じて、全身に
いろいろな影響を与えることはむしろ当然と言えば当然のことです。むしろ、切り離して
考えるほうがおかしいのではないでしょうか?

私たちは、今まで病気と言うと外的なリスクファクターなどと言った要因に注目することが
多かったように思いますが、「心の性向」といういちばん身近な面にも注目してみる必要が
あるのではないでしょうか。



それでは、明日からはこの「心の性向」が、「個人の物語性」の要の役割をするのと同時に、
自分たちの普段は意識しない「潜在意識」と密接に繋がっているということについて書き
たいと思います。




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Comment

2010.05.07 Fri 22:05  |  

5/3のトピックでコメントしたものです。

批判的なコメントをする以上は、HNを出さないと失礼だろうと考えましたので、
ひとまず、midoriと名乗らせていただきます。
もし煩わしいようでしたら、コメントを削除していただいても構いません。

さて、本来なら、この一連のトピックが一段落つくまでコメントしないつもりでしたが、
少々気になるところがあるのでコメントします。

個人の気質と疾病について、タイプAおよびタイプB型性向と心筋梗塞の関連を例にして話を進めようとしていますが、
http://www.ur.umich.edu/0607/Sept05_06/03.shtml
↑のように気質と心疾患には関連が無いという結果もありますよ。
元のPLoSの論文は↓ですかね。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16934002
大元のM.FriedmanとR.H.Rosenmanの論文についても、統計の手法に問題があると指摘されてるようですし。

これでは、タイプA=心筋梗塞になりやすい、という考えは、
A型=真面目といった俗説となんら変わらないのでは?

先生の理論は、洋の東西に関わらず、医療に対する面白い言及だとは思いますが、
こうしたあやふやな例を元に論を進めるのは、少々無理が過ぎるように思います。

  • #-
  • midori
  • URL

2010.05.07 Fri 22:52  |  

貴重な文献の紹介ありがとうございます。

ひとつの論考を行ううえでは、その根拠となった元にあたるべし
という貴重なご指摘かと思います。不勉強にも私はご紹介いただいた
文献は知りませんでした。

本来ならそこまできっちりと押さえておくべきでしょうね。


ただ、今の私はそこまで一つ一つ確認してから推し進めるという
ことができません。
そういう枝葉のことよりももっ大切な「伝えたいこと」があるから
です。多少の「訂正」は本質的なものでない限り後で修正して
行きたいと思います。

今回ご紹介いただいた文献があったとしても、私がこれから伝え
たい内容についてはまったく揺るぎがありません。

今後ともお気づきの点がありましたらご教示ください。



追記

たとえば、midoriさんは
「交感神経の優位なストレス状態は、副交感神経優位のリラックス
した状態よりもいろいろな病気の原因になりうる」
という作業仮説についてはどのようにお考えでしょうか。
midoriさんご自身のご意見を伺えるとありがたいです。

  • #KB5hZkYI
  • 小西康弘
  • URL
  • Edit

2010.05.08 Sat 12:32  |  

お返事、ありがとうござます。

確かに、文献そのものは「枝葉」かもしれませんね。
少々、議論を急ぎすぎたようです。
申し訳ありません。

>「交感神経の優位なストレス状態は、副交感神経優位のリラックス
>した状態よりもいろいろな病気の原因になりうる」
>という作業仮説についてはどのようにお考えでしょうか。

私の考え・・・ですか?エビデンスを大事にする以上、
特に専門家でもない私がどうこう考える事ではないと思いますよ。

ただ、交感神経優位は悪、副交感神経優位は善、といった
単純な二元論に持ち込んでいるところで、
私としてはちょっと身を引いておきたいですね。
大事なのは両者のバランスでしょう?
自律神経失調症 みたいな症状もありますし。

  • #-
  • midori
  • URL

2010.05.08 Sat 15:49  |  

まさしく、「バランス」が一番大切であるとぼくも思っています。

「交感神経が優位である生活習慣が多く、それが原因となっている
病気がたくさんある」という文脈でとらえていただくといいかもしれません。
だからといて、善悪二元論にもちこむ危険性についても認識して
いかないといけませんね。
貴重なご意見ありがとうございました。

  • #KB5hZkYI
  • 小西康弘
  • URL
  • Edit

2010.05.11 Tue 20:23  |  

はじめてこちらにコメントします。慢性病のリウマチをかかえるものです。
自分の病を克服したいと思い、あれこれと行っています。

身体とても複雑でありながら、精神的には単純な思考、喜怒哀楽を充分に楽しみながら、基本は笑っている状態が良いようです。
不安はどうしても身体が重くなります。笑うと免疫があがるのですから、そのように作られているのが私たちだなとつくづく思います。
西洋医学にも大変お世話になりました。世に言うスピリチャルにもお世話になりました。

やはり身体は統合的なものだとつくづく感じています。
ちなみに今はとても調子がよいです。腸の健康、心の持ち方、食事、それらを楽しんでやっています。

先生のおっしゃる慢性病になる要素はあると思いますが、全部には当てはまりません。私のように9歳での発病となると、また別の要素が絡んできます。

しかし先生が統合医療を掲げ、こうしてブログで考えを発信することは、意味のあることです。
新しい時代に医師と患者という枠さえも超えて・・・ようするに幸せになりたいですねぇ。



  • #qbIq4rIg
  • masae
  • URL
  • Edit

2010.05.13 Thu 08:45  |  

masaeさん、コメントありがとうございます。
私たち、「医療者」はどうしても「病」は治すべきもの、克服するもの
というような「思い込み」が強いです。
そして、病気を治せなかったときに「敗北」したと考えてしまいます。

しかし、わたしも色々と勉強させていただくようになって決して
「病気」は克服するべき「悪」ではないのではないかと考えるように
なってきました。
このように書くと、病気をお持ちの方の中には「なんてひどいことを
いうのだ」と思われる方も出てくるかもしれませんが、正直な気持ち
なのです。

そして、病気を敵視するのではなくそこからのメッセージを受け取ろう
というふうに意識が変わってくると、病気自体も「変容」を始めるよう
です。

そのようなことも、今後書いていきたいと思います。
ありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。

  • #KB5hZkYI
  • 小西康弘
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プロフィール

小西 康弘

Author:小西 康弘
京都大学医学部卒業。天理よろづ相談所病院などで内科全般を研修し、消化器内科を専門とする。内科専門医。

内科医として約20年病院勤務をしてきましたが、西洋医学の範疇だけでは、とても患者さんの肉体的問題に対して対応できないとその限界を痛感しています。
肉体的な問題の奥底には心理的、精神的な問題が隠れていることが少なくありません。表面に出てくる肉体的な問題は原因ではなく結果で在る事が多いのです。
トランスパーソナル心理学の各手法や、ヒーリング方を勉強中。
シーターヒーリング・プラクティショナー

このブログでは西洋医学だけでなく代替医療やその他の補完療法についての私の考え方や、いろいろな情報を書いていきたいと思います。


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