スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

セラピストの「コントロール」

カウンセリングやセラピーをして、ある程度経験が出来てくると、クライアントさんの話を最初に数十分聞いただけで、「このクライアントさんの問題の『原因』は、ここにあるな」とある程度予測できるようになってくることがあります。

たとえば、恋愛やパートナーシップの問題で悩んでおられるクライアントさんの話を聞いていると、その根本には「親との関係」が深く関係していることが見えてくるようになる、といったことです。

もちろん、それはそれで決して間違いではありませんし、とても大切なことなのですが、セラピストなりカウンセラーの側がそのことにあまりにとらわれると、今度はそれが「思い込み」になり「囚われ」や「決め付け」になってしまうことがあるのです。このような経験はセラピストとしての経験がある方はほとんど持っていて心当たりがあるのではないでしょうか。

確かに、彼氏との関係がうまくいかない原因には父親との関係が関係していることが多くて、まずそこにある「ほつれた糸をほぐす」作業はとても大切なのですが(そのことが必要ないといっているのではありません)、セラピスト側がそう思った瞬間には、その「気づき」に囚われてしまう危険性が同時に起こってくるということです。

ですから、常にそういう「危険性」と背中合わせにいるということを意識していないと、クライアントさんのほうが「私は彼氏との間の関係について相談に来たのに、あまり言われたくない父親との事ばかり指摘された」といった不満になったりすることがあるのです。
セラピスト側が、いくら「クライアントさんのために」と思ってしていることでも、実は結果としてクライアントさんを「コントロール」していることになるのです。

もちろん、だからといって「彼氏との関係」だけに限定してしまうと、本当の意味での「解決」には至らない場合もあります。クライアントさん自身が意識していない部分にも触れて、より根本的な解決へのサポートは必要なのだと思います。大切なことは、今のクライアントさんにとっての「一番気になる問題」について敬意を持って接するということだと思います。


と、自分で書いてみてあることに気づきました。

今、「解決」と書きましたが、誰が「解決する」のでしょうか?
クライアントさんの抱えている「問題」の本当の答えを知っているのは誰なのでしょうか?

ある程度経験も出来て、実績も積み上げてくるとセラピストのほうに「私のカウンセリングで、解決できた」という意識が生まれてくることがあります。この意識は実はとても危険だと、私は思います。そう言っている私自身ですら、上に書いた文章には、どこか「セラピストがクライアントさんの問題を解決する」という意識の「におい」のようなものが感じられます。

私自身、「クライアントさんの持っている『問題』の真の答えはクライアントさん自身の中にある」と思っていますし、セラピストはその答えに至る道のサポートをさせてもらっているだけだと意識しているにも関わらず、潜在意識の中にはどこかで「自分がクライアントさんを『治してあげた』」という気持ちがあるのかもしれません。

そこまでではなくても、「クライアントさんの悩みはぜひとも解決してあげたい」「なんとかしてクライアントさんには良くなってもらいたい」という気持ちはセラピストであればみな持っているものでしょう。しかし、この気持ちでさえ、いつも意識していないと「結果として、クライアントさんをコントロールしてしまう」危険性が付きまとっていると思います


通常のセッションではセラピストとクライアントは、言い方は適切ではないかもしれませんが「上下関係」で見られることが多いのではないかと思います。つまり、治す側と治してもらう側。相談する側と相談されて答えを見つける側t、といった感じです。

しかし、この「セラピストとクライアント」の関係を、個人どうしとしてではなく、「場」や「関係性」としてみると、違った見方をすることが出来ます。
つまり、セラピストもクライアントも、クライアントさんがその場に持ってきた「問題や悩み事」を通じて、対等な関係性にある。そして、その「問題」を通じてそれぞれが、それぞれの学びや気づきをすることが出来る。
という味方です。プロセス指向心理学ではこれを「関係性のチャネル」と言われたりします。
クライアントさんとセラピストがひとつの時間と空間を共有することでひとつの「場」が出来、その「場」にクライアントさんが「ある問題」を持ち込むことで、その場にふさわしい「プロセス」が進行する、と言い換えても良いかもしれません。

そういう、「関係性のチャネル」から見ると、セラピストがクライアントさんを、結果として「コントロール」してしまったという「結果」も、セラピストの内面にある「コントロール欲求」に気づくプロセスであったと言うことが出来るのかもしれません。
つまり、そういう「セッション」というひとつの場を共有できたことで、セラピストが「自分の中にはまだまだクライアントさんをコントロールしてしまう何者かがあるんだなぁ」と気づくチャンスを持つことが出来たということです。

セラピストというのは、決してすべての問題を解決してクリアーになった「神様」ではありません。100%問題を解決できていなければ、セラピストになれないわけでもありません。
自分の内面を見ればまだまだ沢山の「未消化な感情や、未解決の問題」があるかもしれません。しかし、だからこそクライアントさんに寄り添うことが出来るということも言えます。そして、クライアントさんとひとつの場を共有することで、さらに自分の内面に残っているいろいろな感情や信念に気づくことが出来、成長することが出来るのだと思います。



*このトピックと同じ内容はアメブロでも読んでいただくことが出来ます。
http://ameblo.jp/sna10826/
アメブロの方では、過去にこのブログで掲載した内容を元に、私が今感じることを追加して再掲載しています。


スポンサーサイト

プロフィール

小西 康弘

Author:小西 康弘
京都大学医学部卒業。天理よろづ相談所病院などで内科全般を研修し、消化器内科を専門とする。内科専門医。

内科医として約20年病院勤務をしてきましたが、西洋医学の範疇だけでは、とても患者さんの肉体的問題に対して対応できないとその限界を痛感しています。
肉体的な問題の奥底には心理的、精神的な問題が隠れていることが少なくありません。表面に出てくる肉体的な問題は原因ではなく結果で在る事が多いのです。
トランスパーソナル心理学の各手法や、ヒーリング方を勉強中。
シーターヒーリング・プラクティショナー

このブログでは西洋医学だけでなく代替医療やその他の補完療法についての私の考え方や、いろいろな情報を書いていきたいと思います。


ツイッターでもつぶやいています。下のボタンをクリックして下さい。

個人セッションのお申込みはコチラ

最新記事

月別アーカイブ

カテゴリ

全記事表示リンク

ブログランキングにご協力ください

リンク

Copyright © 小西 康弘
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。